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「カゲロウプロジェクト」におけるループの扱いについて

「ループもの」の系譜の中に位置付けることで、アニメ『メカクシティアクターズ』が面白くなるかもという話。

 

最近では『STEINS ; GATE』や『魔法少女まどか☆マギカ』など、SF的な設定を持つアニメにおいてストーリーの根幹に関わるガジェットとして用いられることも多い「ループ」という仕掛け。

基本的には、なんらかの事情で繰り返す時間からの脱出劇という形をとることが多いのですが、上に挙げたような最近の作品では「避けられない悲劇を食い止める」ために、むしろ積極的に主人公がループ能力を用いる、という構図になっています。

「まどか☆マギカ」のループに至る「エロゲにおけるループ」の変遷 - alicemagic

 (周回プレイを前提とするアドベンチャーゲームにおいては、プレイヤーのゲーム体験とシナリオの進行を同期させるために「ループ」の設定が用いられることがままあり、このジャンルにおける「ループ」の扱いの変遷を見ていくことは、そのまま手法の洗練を見ていくことにつながります)

 

リンク先では、ループ現象が作中世界における所与の条件となっている「環境型」から、主人公が悲劇を食い止めるため自らループを利用する「目的論型」へ、という変遷の過程が示されていました。

これを踏まえると「カゲロウプロジェクト」におけるループとは前回の記事でも解説を加えた通り、黒幕によって引き起こされる「望まれない」ループであり、「目的論型」からさらに一歩踏み出したように思えます。

 

「ループ」という現象をどのように捉えるかは、大げさにいえば作家にとっての倫理観の表明にもなります。ずっとこのままでいたい、という「停滞」の象徴として捉えるか、最善の道を探るべく決して諦めない「試行」の象徴として捉えるか。

「カゲロウプロジェクト」におけるループの扱いは、そこから導き出される結末は、どのようなメッセージを私たちに投げかけるのか。ポスト『まどマギ』、「ループもの」の最先端としての同作品にも、注目していきたいところです。