2014-01-01から1年間の記事一覧

麻枝准の新作『Charlotte(シャーロット)』のタイトルの意味について

先日、『Angel Beats!』につづく麻枝准による完全新作アニメ『Charlotte』の制作が発表された。いまだ全貌の見えない同プロジェクトだが、この「シャーロット」というタイトルからいろいろと考えがふくらむので書き記しておきたい。 結論から言ってしまうと…

久弥直樹のメソッド――『Kanon』のカノン(反復)として『天体のメソッド』を観る

10月より放送の始まった『天体のメソッド』。その原案・脚本をつとめる「久弥直樹」という名前に、聞き覚えのない視聴者も多いのではないだろうか。90年代末~2000年代初頭にかけゲームのシナリオライターとして活躍した氏の過去作を振り返りつつ、『天体の…

さようなら、メカクシ団――また、何処かで。

カゲロウプロジェクトの複雑に見える構造を解きほぐしていくと、後に残るのは家族の情や、似たような境遇にある者に対する共感だけだ。小説やアニメなど、「筋(プロット)」を持つはずのメディアに展開されたはずなのに、やはり「何が起こって、こうなった…

カゲロウプロジェクトに見る、「タテの関係性」という主題

ライブイベント「MAKE a MEKAKUCITY」。キャラクターの「声」が生身の演者を遥かに凌駕する求心力を誇っていたことに加え、もうひとつカゲプロの凄味として感じたのが「タテの関係性」という主題の深化と、そこから導かれるファン層の射程の長さだ。カゲプロ…

「MAKE a MEKAKUCITY」という特別な体験――8月15日に響いた、「幽霊の声」について

『メカクシティアクターズ』ライブイベント「MAKE a MEKAKUCITY」。2日目の8月15日、足を運んできました。 結論から言うと、「カゲプロすごい」。何がすごいって、完全にキャラが演者を食っている。歌い手のコールよりMCより、アニメのCVでなされる場内アナ…

『メカクシティアクターズ』を振り返って

アニメ『メカクシティアクターズ』が放映終了しました。 結局毎回感想を書くということをしてこなかったのですが、それはこのアニメ化をどう扱っていいものか、迷いに迷い続けてきたからでもあります。 「カゲプロ」の面白さの核を一般向けにプレゼンテーシ…

「メカクシ団」の挑戦 ~「ソーシャルな連帯」の写し絵としての「カゲロウプロジェクト」~

「カゲロウプロジェクト」小説版『カゲロウデイズ』(ややこしい)、最新刊である5巻まで読み終えました。 カゲロウデイズV -the deceiving- (KCG文庫) 作者: じん(自然の敵P),しづ 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン 発売日: 2014/03/29 メディア…

「カゲロウプロジェクト」におけるループの扱いについて

「ループもの」の系譜の中に位置付けることで、アニメ『メカクシティアクターズ』が面白くなるかもという話。 最近では『STEINS ; GATE』や『魔法少女まどか☆マギカ』など、SF的な設定を持つアニメにおいてストーリーの根幹に関わるガジェットとして用いられ…

「カゲプロ」入門に最適? ~楽曲「アウターサイエンス」解説~

以前、「カゲロウプロジェクト」アニメ化の第一報を耳にした際に楽曲「カゲロウデイズ」を取り上げて、「ループもの」としての同作品を考察したことがありました。 「カゲロウプロジェクト」について~終わらない悲劇から抜け出すために~ 一連の物語におけ…

「カゲロウプロジェクト」について~終わらない悲劇から抜け出すために~

2014年は「カゲプロ」こと「カゲロウプロジェクト」が、来る。 先ごろ4月からのアニメ化(『メカクシティアクターズ』)も発表されたし、中高生を中心とした熱狂を見せているこのムーブメントがより広い層にリーチしていく年となるだろう。 カゲプロについて…