2018-01-01から1年間の記事一覧

『ゾンビランドサガ』VS『SSSS.GRIDMAN』 2018年「現実へ帰れ」は有効なのか?

2018年秋クール(10月~12月放送)のテレビアニメとして話題をさらっていった2つの作品、『ゾンビランドサガ』と『SSSS.GRIDMAN』。この両作品が先日、あまりにも対照的すぎる最終回を迎えた。比較することで際立つのは、両作品において「現実」と「アニメ(…

オタクじゃ新条アカネは救えない

なぜオタクは新条アカネに夢中なのか 『SSSS.GRIDMAN』が盛り上がっている。とりわけ本作のダブルヒロイン(とされている)のうちのひとり、新条アカネには少なくない視聴者からの熱視線が注がれている。下記の記事に典型的なように、「スクールカースト最上…

アニメ『色づく世界の明日から』オープニングテーマを担当する、ハルカトミユキの「オルタナティブ」な魅力

P.A.WORKSの新作アニメーション作品『色づく世界の明日から』の放送がスタートした。同スタジオらしい透明感のある映像表現、「色のない世界に生きる少女が、祖母が自分と同年代だった時代にタイムスリップする」という筋書きからどのような繊細なドラマが紡…

『Summer Pockets』感想

(2020.07.25追記)シナリオ追加・演出強化などのアップデートがなされた『Summer Pockets REFLECTION BLUE』が2020年発売された。感想記事は以下。 ※以下、『Summer Pockets』本編のネタバレありにつき注意。 6月29日に発売されたKeyの新作『Summer Pockets…

アニメ『刀使ノ巫女』がすごかった。

アニメ『刀使ノ巫女』がすごかった。完璧、100点満点すぎて書くことがないくらいなのだが、残念ながら一部熱狂的ファン以外には知られていないのが現状であるようなので、記録のためにも書いておこうと思う。まず話の展開が面白い。ある剣術の大会の決勝で、…

約束と呪い――「Key」と「久弥直樹」の差分として読み解く「麻枝准」

本テキストは、2015年に刊行した合同誌『Life is like a Melody―麻枝准トリビュート』に寄稿した文章を一部改稿したものです。同書が品切重版未定であることから、編集長・meta2氏の許可を得て転載します。 「麻枝准」の作家性について直接言及することは実…

「批評再生塾第3期」の修了と、この一年で僕自身に起きた変化について

批評再生塾というプログラムが終わってから振り返りのエントリを書いていなかったので(前回の投稿は最終課題の提出前)。 最終講評会がさる4月13日行われ、その模様はYouTubeで見ることができる。 いろいろな要因があったとは思うが、結果的に自分は最終の6…

「KSL Live World 2018」に行ってきた

5月6日、ゲームブランド・Keyの楽曲が披露されるライブの今年度版、「KSL Live World 2018 ~Summer Pockets & Key's Best Night~」に行ってきた。(公式サイト) 「神イベント」とはこのことか、と思った。 今年は新作ゲーム『Summer Pockets』が発売され…

「中動態的家族」の誕生――『Charlotte』に見る新たな「約束」のかたち

※本稿は「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾」第3期の國分功一郎さんゲスト回にて提出した評論文を改稿したものです。 1. 2010年代の終わりもいよいよ見えてきた今年の初め、あるひとりの音楽家の突然の引退会見が世間に波紋を投げかけた。 小室哲哉。90年代に一…

「批評」ってなんだ。

sr-ktd.hatenablog.com このエントリから気づけば半年以上が経っていた。 ゲンロン批評再生塾第三期。いよいよそのフィナーレを迎えようとしている(まだ最終課題の提出が残っているが)。 結果的には全15回中、2回登壇(蓮沼執太回、宮台真司回)。うち1回…